07/04/2022

哲学者

本論文の目的は、ウィリアム・ジェイムズ(一八四二―一九一〇)の多元的存在論とアンリ・ベルクソン(一八五九―一九四一)の持続の存在論とを比較検討し、両者の強い類似性と根本的な差異及びその起源を明らかにすることにある。ジェイムズとベルクソンはしばしば哲学的傾向の親近性が指摘される二人である。直接経験の重視、反主知主義、流れるものとしての実在の肯定など、彼らの哲学における類似点は非常に多い。しかしやはり二人は異なる哲学者なのであって、極めて強い類似性が認められながらもなお相違点が存在し、しかもそれは両者の哲学の根幹に触れる決定的なものであるように思われる。
ベルクソンの哲学は、当時の人々だけでなく、後の世代にも大きい影響を与えた。その影響は、弟子のガブリエル・マルセル、ハイデッガー、ジャンケレヴィッチ、ウィリアム・ジェームズ、サルトル、バシュラール、レヴィナス、メルロ=ポンティ[3]、アルフレッド・シュッツ、エティエンヌ・ジルソン、ジャック・マリタン、ドゥルーズ、西田幾多郎といった哲学者たちのみならず、政治哲学者のジョルジュ・ソレルや人類学者のレヴィ=ストロース、作家のプルーストなど幅広くに及んでいる。